1.名称等
CAMBODIAN & IMPORT-EXPORT Goods Exhibition 2019
期間
2019年12月15日(日) ~ 12月18日(水)
場所
DAIAMOND ISLAND
出展社等
出展社等:約300社
来場者
来場者:約11,000人(昨年実績)
出展企業
一般社団法人 全日本菓子輸出促進協議会(以下「JAPAN TACOM」)
出展企業:2社
鈴木栄光堂、エイワ
展示会会場
2.全般
JAPAN TACOMは、上記会員2社でもってカンボジア一州一品展示会2019(以下「カンボジア展示会」)に出展した。
本展示会への参加は農林水産省様補助事業として実施している。農林水産省様にはこのような遠方での展示会に参画する際に御後援を頂戴して大きな後ろ盾を頂いている。
本展示会への出展はJAPAN TACOMとしては2016年より連続で4回目である。
展示会の会場は、埋め立て地であるDAIAMOND ISLAND内にあり、場所的にはイオン1号店のある地域に近い場所にある。周辺は、中国人向けのマンションや商店、食堂街を作るため建設ラッシュであるがもう街が8割方出来上がった感がある。昨年まではイオン等への買い出しの際にはビル建設のインフラ整備のための工事用車両等を避けて移動していたが今年はそれらが殆ど出来上がり商店に買い物に立ち寄った車の中を移動する風景に様変わりしている。
カンボジア市内の交通網は基本的にはバス等の基本ラインがまだできてない状況にあり、交通はタクシー等に頼らざるを得ない。
カンボジアの街の印象であるが、この数年で目覚しい発展を遂げている。カンボジアを初めて訪れたのは5年前でイオンが開店したばかりであった。周囲は野原のようであったが今の状況は周辺にビルが林立して隔世の感がある。
昨年まではデコボコだった道が綺麗に舗装され、中国人の移住が円滑に進んでいるようである。カジノ等が開店し夜遅くまで大変賑やかであった。また市内のいたる所にマンション建設が進んでおり、ほとんどすべて中国資本によるもので中国向けのものであるとのことであった。
展示会会期中は大きな事故や金銭・器物等の盗難もなく無事に完了することができた。
以下に展示会の状況及び所見を記す。
3.展示会の様相
❶準備日(12/14)
準備日にはバッジの取得、サンプル品の会場搬入、ブースレイアウトを実施した。
今年はジェトロ様ブースは10社程度の募集だったため自力で出展ブースを取得して出展した。
手続きは非常に煩雑でなかなかスムーズにはいかなかったがなんとか2ブースを借りることが出来、備品類も申し込みを行った分が揃えられており問題はなかった。
ポスター等を掲示し、備品等の不足等を展示会事務局と調整した。展示会準備が整った後に撤収とした。
❷展示会期間中(12/15~12/18)
<首相視察>
展示会初日にフンセン首相の展示会場視察があった。
昨年までは開会式があり、多くの場所を取っていたが、中国の出展数が多く場所を取ったためか 式典会場が取れなく、視察となった模様である。
フンセン首相が視察に訪れたため、警官等の警備体制が厳重で至るところに警官が配置されていた。
4.バイヤー等について
❶商談等
その他にも中国、ベトナム、タイからバイヤーが来て、各社に興味を持ってもらった。
カンボジア国内をはじめとして周辺国からバイヤー等に来訪願い商談も活発に出来た。
❷バイヤー等の所見等について
コミュニケーションをしていて言われたことは以下のとおりである。
- ベトナム、タイ、中国国内での原材料規制への対応
- 賞味期限問題
- 日本製(日本の製品と言うと好印象だった。)
5.その他
今回の展示会に参加して会場内や市内等で目についたのは以下のとおり。
- 中国が展示会場の1/3を占めるほど出展数を揃えて大勢力となっている。やはり多くの移住者が本格的に移り住んでいる証拠でもあろうかと思った。出展社の多くはカンボジア人に売り込む商品というよりはカンボジアの中国人に売り込むための商品を持ってきたという印象であった。
- 近年のプノンペン市内の変わらぬ状況であるが至る所にマンションを建設中である。その売り先は中国人である。昨年は、その販売ツアーに大勢の中国人が参加して、カンボジアの空港やホテルは大混雑していた。今年はそこまでの混雑がないようでもう既にある程度の中国人がカンボジアに移住完了したようである。
- 将来的には300万人が中国から入ってくるとカンボジア人ガイド等が話していたが、建築している住居等の多さから考えるにその噂もあながち大袈裟とは言えない状況であった。
- 市内のインフラ整備が急速に進んでいる。道路が綺麗に舗装されて移動がスムーズであった。
6.所見
カンボジアは、歴史的な経緯からベトナムと中国の影響力が強く働いている。プノンペン市内に流通する農作物の多くはカンボジア産よりもベトナム産の野菜が多く、国内インフラは中国からの借款でまかない、道路整備が着々と出来ている。特に、中国資本によるマンション建設ラッシュは1年ぶりに訪れたものの市内の様相の様変わりに驚きを禁じ得なかった。ガイド等からの情報では2020年までに中国人が30万人移住する予定であるとのことであったが、あながち嘘の情報ではないだろうと思わる程の建設ラッシュであり、市内の道路等の整備状況である。
2020年以降、この中国人による購買層が形成されれば一大消費地が誕生することになり、販路開拓先としても非常に有望になってきている。
カンボジア国内は、流通や商流もまだまだ柔らかいのが現状であるが、市内のマンション・道路網等のインフラ整備は急速に進んでおり1年ぶりの訪問で大きく様変わりする程である。中国や韓国、タイ等の各国の進出状況からも数年後にはほぼ商流も決まってしまうと考えられるため、あらゆるアプローチによる販路開拓が重要になっていると考えている。
また、経済成長率もここ数年GDP7%前後の成長を見せており、国民の所得も確実に増加している。現状の一般市民にとっては多少高価な部類に入る日本産菓子を購入することが出来る中産階級が形成されつつあり、加えて中国中産階級による市場が形成されつつある。日本産菓子もこの発展の流れに遅れないように販路開拓に怠りなく取り組まなければならないと感じた。
今回、農水省様補助事業としてこのような事業を後援して頂いたことは本協議会としても大変な財産と考える。
今後とも日本の安心・安全なお菓子を自信と誇りを持って、カンボジアの方々に売り込んでいきたいと感じた次第である。