1.名称等
ベトナム商談会
期間
2019年7月15日(月) ~ 7月20日(土)
場所
ハノイ SUNWAY HOTEL LOTUS会議場(7/16)
ホーチミンシティー RAMANA HOTEL LOTUS会議場(7/18)
出展企業
一般社団法人 全日本菓子輸出促進協議会(以下「JAPAN TACOM」)
出展企業:7社
黄金糖、中島大祥堂、扇雀飴本舗、コリス、ノーベル製菓、パイン、エイワ
2.全般
一般社団法人 全日本菓子輸出促進協議会(以下「JAPAN TACOM」)は、経済成長著しいベトナムについて、日本産お菓子の販路開拓の有望国として位置付け、またTPP11締結国として関税等の障壁の年次低減することと併せて輸出拡大の方策として今回の商談会を企画したものである。今回の商談会には会員企業から7社参加し、ハノイとホーチミンシティーにおいて移動を含め延べ6日間の期間であった。
ベトナムについては、JAPAN TACOMとしては前身組織である旧全日本菓子輸出工業協同組合連合会の事業として2015年にホーチミンシティーにおいて嗜好調査を実施して以来の2回目の事業となった。
ベトナムは、前述したとおりTPP11加盟国であり、7ヶ国目の批准国であり2019年1月14日から既に適用されている国である。また、2015年から2017年の平均経済成長率は6.5%であり、昨年(2018年)の経済成長率はGDP成長率が7.1%となっている。近年非常に高い成長率を誇っている国である。人口は9370万人で経済成長を下支えする若年層の層が厚く将来にわたって有望な国であることを示している。
このような観点からベトナムはJAPAN TACOMにとっても最も販路開拓の伸びる可能性のある有望国のひとつであり重要な国であると考えている。また、ベトナム国民は極めて親日的であり、日本製品や日本食品について好感をもって受け入れて頂いており強いブランド力を持っている。
今回の事業は、ベトナムの市場においては、まだまだ日本産の安心安全で美味しいお菓子を訴求する方達は多く、実際、販路の拡大や輸出額は伸びておりこれを更に大きく伸ばす可能性を持っている国である。このことから新規バイヤー等の獲得あるいは既存バイヤーとの関係強化によって輸出額を大きく伸ばすことが可能と考え本事業を計画したものである。本事業は、農水省様の補助事業として実施しております。
活動の中心を中小企業としている本協議会としては大きな後ろ盾を頂いている。
以下に商談会の状況及び所見を記す。
3.商談会
❶ハノイでの商談会
①準備日(7/15)
前日15日の13時に担当者と約束して会場を視察に行くとまだセッティングは出来ていなかった。18時にセッティングは完了するとのことであった。18時に再度見に行くとテーブルは雑然と配置はされていたが作業員が食べたキャンディーの袋等のゴミが散乱しており、非常に汚い状態であった。そこで担当者を呼んで掃除を約束させ、またテーブルの配置も等間隔かつテーブルの角が同一線上に来るように指導し、再度清掃等をやらせて20時過ぎにやっと下記のようなお客様を迎える準備が整った。
ハノイは初めてだが4年前のホーチミンシティーの人間性と同じだった。仕事を任せていると酷い目にあうだろうなと感じた。なかなか一筋縄ではいかないと再認識した。
各テーブルに準備した各社のテーブルクロスを置いた。会場にはカギを掛けてもらい盗難防止を図った。
②商談会当日(16日)
商談会は10時から16時までを予定、各社のセッティングは9時頃から開始し、各社思い思いのレイアウトでお客様をお出迎えした。
<レイアウト>
<商談風景>
来場を約束してくれた3社中1社が体調不良で欠席、午前1社、午後1社の計2社との商談になった。数は少ないが厳選した商談相手であり、結果として大きな成果があった。
❷ホーチミンシティーでの商談会
①準備日(7/17)
7/17の午前にハノイを発ち午後ホーチミンシティー入り。夕刻会場準備。
ハノイの会場と同じように13時に見に行くとまだまだ清掃中で17時までにセッティングを終えるから17時に見に来いということで17時見に行くと綺麗にセッティングされ、清掃もされていた。ハノイと同じように前日にテーブルクロスをセットしようとするとホテルの会場責任者から無くなっても責任が持てないから、明日セットしてくれと言われた。会場の鍵は何の役にもたたないとのこと。
②商談会当日(7/189
ハノイと同じく商談会は10時から16時までを予定、各社のセッティングは9時頃から開始し、各社思い思いのレイアウトでお客様をお出迎えした。
<レイアウト風景>
<商談風景>
来場をお願いした9社中1社が都合で来られなくなった他、午前1社、午後7社の計8社との商談になった。予定では午前3社、午後5社であったが、そこはベトナムタイムという事情もあり、午後に集中して多忙となったのは致し方ない。午後4時いっぱい迄商談を実施し非常に密度の濃い充実した商談会となった。またハノイに引き続きホーチミンシティーにおいても大きな成果があった。
4.治安
4年前の嗜好調査の際には本当に用心して事業を実施したものの、引ったくりによる転倒事故(擦り傷のケガ)やスリによるパスポート紛失等大きな問題が発生した。これらの事故は何も夜の街に出て起こったものではない。引ったくりはホーチミンシティーの中心街の大通りを昼に買い物中であるし、スリはデパートの中で当時の旧JAPAN TACOMの一団と集団で歩いていてのものであった。当時ベトナムは犯罪の頻度の多いところで、ベトナムでの行動は注意が必要と思ったものだが、この時のことやその他の事業で置き引き等の被害もあり会員達から事業を再度ベトナムで実施しようとする意欲が失われてしまった。
当時の旧JAPAN TACOMとしては成果を上げたが事故があってはその成果も無に帰し大きく足踏みする事となった。
今回は、盗難等の大きな事故もなく終了することが出来、将来的にベトナムにおける販路開拓に向けた大きな弾みになるものと考えている。
ただ、ベトナム国内は治安が大きく改善したわけではなく、ガイド等によるとスリや引ったくりの横行する非常に危険な国であることは間違いない。販路開拓のため事業を起こすには重々慎重に行動することが要求されると思量するものである。
5.所見
JAPAN TACOMとしては、ベトナムにおける活動としては4年前の嗜好調査以来の2度目の事業であった。治安面でも記したが成果を上げて事業を成功させたとしても事故があってはその成果も無に帰してしまう。会員たちの意欲が失せる為以降の販路開拓の進展に繋がらなくなる。今回再度事業を起こせたが、前回の後遺症から回復するのに4年を費やした。それ程治安面での不安というのは後々尾を引くと痛感した。
今回捲土重来を期したのは冒頭にも記したがベトナムはTPP11加盟国でありその批准国である。ベトナムと日本の間の関税の減税率は早や2年目が適応されることとなっている。また、ベトナムは経済成長著しく7%台の伸びを昨年は達成している。また、国民性は非常に親日的である。このような日本産菓子の販路開拓にとって好条件の国についてアプローチして行かない事は非常に大きなロスと考える。
今回のベトナムでの商談会は、日本産菓子の単なるPR活動ではなく既存バイヤーとの取引拡大による販路拡大と新規バイヤーの獲得による新規の販路開拓を目指し、商談によって成果を上げることを企図した。ハノイでは来訪するバイヤーの数が少なかったものの濃い商談が出来成果を上げることが出来た。また、ホーチミンシティーにおいては、概ね予定通りの各社バイヤーに来て頂いて充実した商談が出来た。
商談会が終了した際には会員各社の担当者とも激闘の後宜しく本当に疲れ切っていたが、皆やり切ったとの思いを強くしていた。
今回は各社担当者の間断ない努力によって当初予定を大きく上回る成果を上げることが出来た事を記す。
終わりにバイヤーの来訪に多大なる御協力、御助力を頂いた皆様に心より感謝申し上げます。